日本臨床外科学会雑誌
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症例
乳癌術後6年目に褐色細胞腫と診断した神経線維腫症1型の1例
谷口 絵美稲石 貴弘
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2023 年 84 巻 2 号 p. 340-345

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抄録

症例は52歳,女性.以前より神経線維腫症1型と診断されていた.6年前に左乳癌に対して手術を行い,術後1年のCTで左後腹膜腫瘍を指摘されたが臨床症状や高血圧を認めず,後腹膜神経線維腫と判断され経過観察となった.その後,左後腹膜腫瘍は緩徐に増大し,6カ月前のCTで70mmであった.この時点で褐色細胞腫の可能性を考慮して精査を行い,左褐色細胞腫と診断した.ドキサゾシンを14mg/日まで漸増した後に,腹腔鏡下左副腎摘出術を施行した.今回,神経線維腫症1型に合併した乳癌術後の経過観察中に後腹膜腫瘍を指摘され,数年後の精査で褐色細胞腫の診断に至った症例を経験した.神経線維腫症1型は多種の腫瘍性病変を合併することがあるが,必要に応じて褐色細胞腫のスクリーニング検査を行い,褐色細胞腫を見逃さないことが重要である.

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© 2023 日本臨床外科学会
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