日本臨床外科学会雑誌
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症例
肛門周囲膿瘍を契機に診断された感染性前仙骨部epidermoid cystの1例
青山 諒平榎木 佑弥井上 一真寺脇 平真伊東 大輔宇山 志朗
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2023 年 84 巻 2 号 p. 356-361

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抄録

症例は70歳,男性.尾骨周囲疼痛と肛門部違和感を主訴に当院を受診した.右臀部に弾性軟の有痛性腫瘤を触知し,CTで仙骨前面から直腸右側壁にかけて90×75mmの多房性嚢胞と右臀部膿瘍形成を認めた.肛門周囲膿瘍を伴った感染性前仙骨部嚢胞性腫瘤と診断し,切開・排膿ドレナージを施行したが,発熱,疼痛が再燃したため,15PODに経仙骨的アプローチにて尾骨合併腫瘤摘出術を施行した.病理組織学的にepidermoid cystと診断となり,術後排便機能障害や再発を認めていない.

前仙骨部は胎生期組織の遺残により種々の腫瘤が発生し,感染の合併や悪性化の懸念があるため,速やかな完全切除が望ましいとされる.感染を伴った巨大な前仙骨部epidermoid cystであったが,経仙骨的アプローチにて切除手術が可能であった.

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