日本臨床外科学会雑誌
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症例
Shouldice法で修復した腎移植術前の鼠径ヘルニアの1例
新田 敏勝成田 匡大上田 恭彦太田 将仁石橋 孝嗣
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2023 年 84 巻 2 号 p. 352-355

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抄録

症例は56歳の男性.数カ月前より左鼠径部の違和感および膨隆を認めてきたため,血液透析先の泌尿器科を受診した.そこで,左鼠径ヘルニアの診断にて当院に紹介となった.今後,腎臓を移植することを考慮し泌尿器科医と患者はメッシュを使用しない術式を希望した.Shouldice法はその再発率は1.15%と報告されており,国際ガイドラインで推奨されている組織縫合法である.しかしながら,本邦で施行されることはほぼない術式でもある.実際,医学中央雑誌にて現在までで「Shouldice法」をキーワードに検索したところ(会議録を除く),6例の検索結果を認めるのみであった.Shouldice法とその他の従来法との違いとして,①挙睾筋を鼠径管内で離断し,外側断端は精索に巻き付けることにより「内鼠径輪の外側化」を図ること,②鼠径管後壁を切開し腹膜前腔を十分に剥離すること,③修復に腹直筋・内腹斜筋を用いて4層に縫合することを挙げている.今回,稀な場合であるが,メッシュを使用しない組織縫合法として日本では非常に稀なShouldice法を施行した1例を経験したので報告する.

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