日本臨床外科学会雑誌
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症例
初回切除20年後にNAC併施切除した低リスク十二指腸GIST肝転移の1例
吉川 千尋青松 幸雄福本 晃久池西 一海堂原 彰敏中島 祥介
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2023 年 84 巻 3 号 p. 443-447

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抄録

症例は63歳,男性.43歳時に貧血症状で他院に救急搬送され,十二指腸の腫瘍からの出血を認め,十二指腸部分切除を受けた.病理結果は再発低リスク十二指腸gastrointestinal stromal tumor(以下,GISTと略記)の診断であった.その後は定期的な通院はせず,無症状で経過していた.63歳時の他院での人間ドックのCTで肝腫瘍像の増大を認め,当院に紹介された.精査の結果,尾状葉paracaval portionに門脈,肝静脈,肝部下大静脈を圧排する径90mmの腫瘤像を認め,肝生検でGIST肝転移と診断した.単発の肝転移であり手術可能と判断したが,肝部下大静脈への浸潤と術式の困難性を考慮し,術前補助療法としてイマチニブ400mgを5カ月間投与した.腫瘍は48mmに縮小し,中肝静脈切除を伴う肝左葉・尾状葉切除術を施行した.病理結果はGIST肝転移であった.十二指腸GIST術後20年目に発見されたparacaval portionの単発肝転移に対して,術前補助療法後に転移巣切除を施行した1例を経験したので報告する.

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