日本臨床外科学会雑誌
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症例
IgG4関連肝炎症性偽腫瘍治療後に発生した胆管十二指腸瘻の1例
高木 健裕小林 聡関村 敦前田 孝加藤 真司堀 明洋
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2023 年 84 巻 3 号 p. 461-466

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抄録

症例は77歳の男性.門脈内進展を伴う肝内胆管癌の術前診断で肝左葉切除を施行し,病理診断はIgG4関連硬化性胆管炎に伴う肝炎症性偽腫瘍であった.切除された病変以外に自己免疫性膵炎等の他臓器のIgG4関連疾患を認めなかったため,ステロイドは投与せず経過観察とした.半年後に上腹部痛と黄疸を認め受診,腹部CTでは十二指腸球部後壁に憩室状の膨らみを認め,肝切離面に接していた.同部位で右肝管は閉塞しており,胆管周囲組織の肥厚を認めた.上部消化管内視鏡検査では十二指腸球部後壁に深掘れ潰瘍を認めた.IgG4関連硬化性胆管炎および十二指腸潰瘍による右肝管十二指腸瘻と診断し,PPIおよびステロイドを投与した.腹痛・黄疸は速やかに消失し,腹部CT画像では胆管周囲組織の肥厚は改善した.IgG4関連肝炎症性偽腫瘍の切除後に発生した右肝管十二指腸瘻は極めて稀であり,かかる病態の成因やステロイドの適応など示唆に富む症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.

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