日本臨床外科学会雑誌
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症例
アロマターゼ阻害薬投与下の局在不明副甲状腺腺腫の1例
和久 利彦
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2023 年 84 巻 4 号 p. 517-522

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抄録

症例は71歳,女性.3年前に左乳癌術後より化学療法を行い,2年前にアロマターゼ阻害薬とアレンドロネートの投与を開始.Ca値は乳癌術前より高値を維持していた.多結節性甲状腺腫精査の外科受診でCa 10.4mg/dl,intact-PTH 137pg/mlを認め,骨密度検査では腰椎YAM 55%であった.超音波検査・造影CTでは甲状腺右葉腫瘤が副甲状腺腫である所見に乏しかったが,MIBIシンチグラフィで甲状腺右葉内腫瘤のみに集積していた.右葉内副甲状腺腫や微小副甲状腺腫の可能性を考慮して,両側頸部検索後右葉切除,右上副甲状腺摘出,径0.8cm厚さ1-2mmの左下副甲状腺腫摘出を行った.左下副甲状腺は副甲状腺腺腫,右上と右葉表面付着の右下副甲状腺は正常で甲状腺内腫瘤は濾胞腺腫であった.乳癌ホルモン療法下では骨折リスクが高いため,副甲状腺腫の術前局在診断が困難であっても副甲状腺腫の術中両側頸部検索・摘出は必然である.

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