日本臨床外科学会雑誌
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臨床経験
閉鎖孔ヘルニア嵌頓の腸管虚血の予測因子
峯田 修明遠藤 俊治吉松 和彦藤原 由規上野 富雄
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2023 年 84 巻 4 号 p. 512-516

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抄録

背景:閉鎖孔ヘルニア嵌頓における嵌頓腸管虚血の予測因子として,「発症後経過時間」「嵌頓腸管径」「嵌頓腸管内容CT値」がある.当院での症例でこれらが腸管虚血の予測因子になるか検討した.方法:2010年から2022年の間に当院で閉鎖孔ヘルニア嵌頓で手術を行った症例は24例.腸管虚血のため腸切除したのは8例(切除群:全例緊急手術),腸切除しなかったのは16例(非切除群:緊急手術例 7例,非観血的整復後待機手術例 9例).両群で3つの予測因子について検討した.結果:発症から手術あるいは嵌頓解除までの経過時間(中央値)は,切除群が36時間,非切除群が6時間で有意差を認めなかった(p=0.07).嵌頓腸管径は,切除群が3.5cm,非切除群が3.5cmで有意差を認めなかった(p=0.99).嵌頓腸管内容CT値は,切除群が22HU,非切除群が8.3HUで有意差を認めた(p=0.04).結語:腸管虚血の予測に嵌頓腸管内容CT値は予測因子になりうると考えられた.

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