日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
化生性胸腺腫の1例
竹中 僚一根津 賢司竹本 大二郎林 龍也山本 久斗松影 昭一
著者情報
キーワード: 化生性胸腺腫
ジャーナル フリー

2023 年 84 巻 4 号 p. 538-543

詳細
抄録

化生性胸腺腫は多角細胞成分と紡錘形細胞成分が混在する二相性の構造を認める胸腺上皮性腫瘍であり,胸腺腫の1~2%と稀な腫瘍である.今回,化生性胸腺腫の1例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.症例は58歳,男性.尿路結石にて救急外来を受診した際のCTにて,前縦隔腫瘍を指摘された.胸部単純CTでは前縦隔に68×40mmの境界明瞭,辺縁整,内部均一な腫瘤を認めた.FDG-PET-CTでは前縦隔腫瘤に一致したSUVmax 8.37のFDG高集積を認めた.胸腺腫と診断し,胸骨正中切開アプローチにて周囲リンパ節を含めた胸腺全摘術を施行した.心膜や縦隔,胸膜浸潤は認めなかった.切除標本は77×57×32mm大で,胸腺左葉下極より発生し,割面にて白色充実性,境界明瞭,辺縁整,明らかな被膜の途絶は認めなかった.病理所見では充実性の胞巣を形成する多角細胞成分と,胞巣を取り囲む束状の紡錘形細胞成分が混在する二相性の構造を認めた.免疫染色において多角細胞ではCK(AE1/AE3)が強陽性,紡錘形細胞ではVimentinが強陽性であったことから,化生性胸腺腫と診断された.

著者関連情報
© 2023 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top