日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
術前化学療法を行った乳房悪性腺筋上皮腫の2例
橋詰 淳司角舎 学行恵美 純子有廣 光司岡田 守人
著者情報
ジャーナル フリー

2023 年 84 巻 5 号 p. 700-706

詳細
抄録

腺筋上皮腫は腺上皮細胞と筋上皮細胞のいずれもが増生する良性腫瘍であるが,まれにどちらか一方または両方が悪性化した悪性腺筋上皮腫としての存在が知られている.われわれは術前化学療法を施行した乳腺悪性腺筋上皮腫の2例を経験したので,文献的考察を含めて報告する.症例1は32歳,女性.左乳房に5cmを超える腫瘤を主訴に来院.針生検で浸潤性乳管癌を認め,T3N1M0 Stage IIIAの診断にて術前化学療法を施行.乳房切除術と腋窩リンパ節郭清を施行した.術後の病理組織検査で悪性腺筋上皮腫の報告を得た.術後放射線療法とホルモン療法を施行し,6年4カ月経過するが,無再発生存中である.症例2は73歳,女性.検診要精査で左乳房に15mm大の腫瘤を指摘.針生検で浸潤性乳管癌を認め,triple negative typeであったため術前化学療法を施行.乳房切除術とセンチネルリンパ節生検を施行した.術後の病理組織検査では悪性腺筋上皮腫の報告を得た.術後カペシタビン投与とし1年経過するが,無再発生存中である.

著者関連情報
© 2023 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top