日本臨床外科学会雑誌
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症例
乳房脂肪腫内に発生した高分化型脂肪肉腫の1例
中嶋 啓雄, 柴田 信博, 坂井 昇道, 岸 真五
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2023 年 84 巻 5 号 p. 695-699

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抄録

乳房に発生した脂肪腫内の異型脂肪腫様腫瘍/高分化型脂肪肉腫(以下,高分化型脂肪肉腫)の非常にまれな1例を報告する.症例は70歳の女性.乳癌検診マンモグラフィで,左BD領域皮下の5cm大の腫瘤(カテゴリー2)の精査目的で当乳腺外科を受診した.組織生検では,脂肪腫と高分化型脂肪肉腫との鑑別診断ができなかったため,腫瘤を含めた広範囲切除術を施行した.摘出標本の割面では,脂肪腫内に2cm大の赤褐色の境界不整な腫瘍を認め,免疫組織化学染色(IHC)を含む組織学的検査で高分化型脂肪肉腫と診断した.脂肪腫内に発生した高分化型脂肪肉腫の術前診断は,非常に困難である.5cm~10cmまでの脂肪腫では,広範囲切除を行い,摘出標本のIHCを含む組織学的検査を行うことも治療選択肢の一つである.

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