日本臨床外科学会雑誌
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症例
磁石圧迫吻合部狭窄解除術により治療したS状結腸吻合部完全閉塞の1例
吉田 祐吉村 昴平中右 雅之
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2023 年 84 巻 5 号 p. 795-800

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抄録

症例は66歳,男性.閉塞性大腸炎を伴う局所進行S状結腸癌に対し,横行結腸で双孔式人工肛門を造設し,術前補助化学療法(FOLFOXIRI+bevacizumab療法)を施行した.腹腔鏡下S状結腸切除術を施行したが,人工肛門は閉鎖しなかった.術後補助化学療法(mFOLFOX6療法)を施行し,S状結腸切除より5カ月後,人工肛門閉鎖前に施行した注腸検査で吻合部の完全閉塞が確認された.手術による吻合部切除や内視鏡レーザーによる高周波切開法が治療選択肢に挙がったが,最も低侵襲と思われる磁石圧迫吻合部狭窄解除術(第2山内法)を施行した.肛門からの磁石の逸脱,吻合部の良好な開存を内視鏡下に確認後,5日目に人工肛門閉鎖術を施行した.術後の排便状況は良好であり,術後1年が経過しているが,追加の拡張術は必要とせず,吻合部の開通は保たれている.

本法は下部消化管術後の吻合部完全閉塞において,極めて侵襲が少なく,有効な手段であると考えられた.

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