2023 年 84 巻 7 号 p. 1010-1014
肉芽腫性乳腺炎とは出産・授乳後2-3年に好発すると言われているが,妊娠期の発症は報告が少ない.今回,妊娠初期に肉芽腫性乳腺炎と診断され,外科的治療にて緩解した症例1例を経験したので報告する.症例は妊娠9週4日初産婦の女性.他院にて乳腺炎と診断され,抗菌薬治療が開始されるが改善なく,当院を紹介受診となった.病理組織検査にて肉芽腫性乳腺炎の診断となった.肉芽腫性乳腺炎の治療方法として,確立されたものはなく,抗菌薬や切開排膿などの外科的処置やステロイド投与が検討される症例が多い.しかし,本症例は妊娠初期であり薬物治療が躊躇される症例であったことから,seton法を用いた外科的治療を行い,産後も再燃せず経過している症例を報告する.