日本臨床外科学会雑誌
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症例
局所陰圧閉鎖療法が有効であった直腸癌術後骨盤死腔炎の1例
樋口 雄大古屋 信二小澤 貴臣滝口 光一白石 謙介市川 大輔
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2023 年 84 巻 8 号 p. 1282-1287

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抄録

症例は70歳,男性.前医にて仙骨浸潤,膀胱浸潤および骨盤内膿瘍を伴う高度進行直腸癌の診断で,当院へ紹介となった.横行結腸双孔式人工肛門造設術を行い,化学療法としてmFOLFOX6+panitumumabを10コース施行した.原発巣の著明な縮小を認めたため,conversion surgeryとして,仙骨合併骨盤内蔵全摘(郭清:D3,LD3),回腸導管造設,S状結腸人工肛門造設,横行結腸人工肛門閉鎖術を施行した.術後,骨盤死腔炎を発症し,開創術による膿瘍ドレナージのみでは改善に乏しく,局所陰圧閉鎖療法を開始したところ,良好な創傷治癒が得られた.術後82病日に退院となった.消化器外科領域においても,創感染に対する局所陰圧閉鎖療法の有用性を示す報告は散見され,創傷治癒や入院期間の短縮に寄与する可能性が示されている.骨盤内蔵全摘後の難治性骨盤死腔炎に対しても局所陰圧閉鎖療法は有効な治療法であった.

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