2023 年 84 巻 8 号 p. 1314-1320
レンバチニブはマルチチロシンキナーゼ阻害剤であり,稀な副作用として急性無石性胆囊炎が記載されている.レンバチニブの適応疾患は根治切除不能な悪性腫瘍であり,また血管内皮増殖因子(VGEF)受容体チロシンキナーゼ阻害による創傷治癒遅延の副作用のため,急性胆囊炎を発症した際の治療選択は慎重に行う必要がある.症例は73歳の男性で,局所進行左腎癌に対してレンバチニブ+ペンブロリズマブ投与64日目に発熱,右側腹部痛を認めた.CTで急性壊疽性胆囊炎と診断し,同日腹腔鏡下胆囊摘出術を施行した.術後経過良好で,術後9日目に退院した.創傷治癒遅延等の術後合併症は認めなかった.レンバチニブ投与中に発症した急性無石性胆囊炎に対しては,原疾患の病状が許せば,緊急腹腔鏡下胆囊摘出術も選択肢となりうる.