2023 年 84 巻 9 号 p. 1379-1383
乳腺化生癌(metaplastic carcinoma)は,乳腺悪性腫瘍の中で特殊型に分類され,その割合は1%以下と希少な疾患である.今回われわれは,男性に発生した乳腺化生癌の1例を報告する.症例は73歳,男性.右乳房に増大傾向のある腫瘤を自覚し,針生検にて腺筋上皮腫(adenomyoepithelioma)の診断で,悪性成分を伴っている可能性が疑われた.右乳房全切除術を施行し,病理組織学的診断は,乳腺化生癌,ER陰性,PgR陰性,HER2陰性,pStage IIAであった.術後3年8カ月の無再発生存を得られている.