2024 年 85 巻 1 号 p. 106-111
症例は16歳の女性.急性虫垂炎診断時のCTで偶発的に左後腹膜嚢胞性病変を認めた.虫垂切除後に改めてMRIや超音波検査を行い,悪性を示唆する所見は認めなかった.リンパ管嚢腫を疑い,7年前と比較して増大傾向を示したため手術の方針とした.虫垂切除から3カ月後に腹腔鏡手術で病変を摘出し,術後の病理検査で原発性後腹膜粘液嚢胞腺腫と診断した.原発性後腹膜粘液嚢胞腺腫は稀な疾患であり,術前診断は難しく,悪性の可能性を考慮して損傷することなく切除する必要がある.術前の減量や内容液の穿刺,回収袋の使用が手術操作を容易にして,安全に腹腔鏡手術が行うことができると考えられる.