日本臨床外科学会雑誌
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症例
肺癌術後肺転移と鑑別を要した免疫不全関連リンパ増殖性疾患の1例
小野 倫枝三隅 啓三中島 千佳
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2024 年 85 巻 2 号 p. 237-243

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抄録

症例は76歳,男性.肺腺癌で13年前右上葉切除,5年前左上大区域切除を施行.関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)と深部静脈血栓症のため,methotrexate(MTX)や抗凝固薬を内服していた.ふらつきと凝固過延長で,肺癌術後に増大・縮小を示す肺腫瘤で経過観察中の当科に紹介された.血液検査で,Ca高値,凝固能の著明な延長を,CTで肺腫瘤の増大と多発肝腫瘤を認め,再発を疑った.緊急入院後に下血をきたし凝固能を改善した後,上部消化管内視鏡で十二指腸の陥凹性病変に生検を行い,肺病変に対しても針生検を行った.病理組織の免疫染色では,両生検検体ともにLCA・L26強陽性のリンパ球細胞がびまん性に増殖し,血中可溶性IL-2レセプターも高値であった.MTXを長期内服中の医原性免疫不全状態で発症したびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の診断に至った.多発肺腫瘤の新規出現を認め,肺癌術後の再発を考えたが,MTX内服中のRA患者では,免疫不全関連リンパ増殖性疾患も鑑別に挙げる必要がある.

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