2024 年 85 巻 3 号 p. 379-384
症例は46歳の女性で,上腹部痛を主訴に当院を紹介受診した.CTで肝門部に周囲の臓器を圧排する150mm大の巨大腫瘍を認め,精査の結果,十二指腸GISTと診断した.外科的治療を考慮したが手術先行ではR0切除が困難と予想されたため,術前化学療法としてイマチニブ投与の方針とした.イマチニブ投与により腫瘍は著明に縮小し,投与24カ月目に膵頭十二指腸切除術によりR0切除を施行しえた.現在術後54カ月生存中である.GISTの治療の原則は根治的外科切除であり,R0切除不能な十二指腸GISTの治療戦略としては,切除率向上を目的としたイマチニブによるdownsizing chemotherapyが有用な可能性がある.