2024 年 85 巻 3 号 p. 394-398
内ヘルニアの中でも傍下行結腸窩ヘルニアは非常に稀な疾患である.腸閉塞を呈した1例を経験したため報告する.症例は腹部手術歴のない54歳の女性.腹痛を主訴に受診した.造影CTでは,下行結腸外側の小腸に通過障害を認め,腸閉塞と診断した.イレウス管を挿入し保存的治療を開始したが,第3病日に腹痛が増悪した.単純CTで腹水が出現し,絞扼性腸閉塞が疑われ手術を行った.腹腔鏡下で観察すると,下行結腸背側の内ヘルニアに小腸が嵌入していた.傍下行結腸窩ヘルニア嵌頓と診断し,腹腔鏡下で小腸を牽引して嵌頓解除し,ヘルニア門を開放して手術を終了した.術後経過は良好で,術後7日で退院となった.後方視的に腹部CTを確認すると,下行結腸の外背側に小腸が嵌入してclosed loopを形成する,傍下行結腸窩ヘルニアに特徴的な画像所見を確認できた.