日本臨床外科学会雑誌
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症例
虫垂腫瘍との鑑別が困難であった特発性虫垂重積の1例
増井 友恵愛洲 尚哉竹下 一生矢永 勝彦大屋 正文恒吉 正澄長谷川 傑
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キーワード: 虫垂重積, 腸重積, 虫垂腫瘍
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2024 年 85 巻 3 号 p. 399-404

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抄録

無症候性の虫垂腫瘍の疑いに対して腹腔鏡下回盲部切除術を行い,術後の病理組織学的検査で特発性虫垂重積の診断を得た1例を経験したので報告する.症例は73歳の男性で,検診の下部消化管内視鏡検査にて虫垂腫瘍を疑われ紹介となった.下部消化管内視鏡検査では,虫垂開口部に発赤調の粘膜隆起を認めた.造影CTでは盲腸内腔へ突出する腫瘤性病変として描出され,虫垂腫瘍が疑われた.盲腸切除では断端陽性になる可能性があるため,腹腔鏡下回盲部切除術を行った.摘出標本の肉眼的所見では,虫垂開口部から発赤した粘膜がポリープ様に隆起しており,鉗子で内腔を確認したが挿入困難であった.病理組織学的診断では,虫垂粘膜が重積により反転し,ポリープ様の隆起を呈していた.隆起の内部には特異的炎症所見や悪性所見は認めず,特発性虫垂重積と診断した.虫垂の腫瘤性病変の鑑別疾患として,特発性虫垂重積も挙げる必要があると考えられた.

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