日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡下手術を行ったバリウムによるS状結腸穿孔の1例
原 章一郎濱田 隼一竹本 健一内藤 慶落合 登志哉大辻 英吾
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2024 年 85 巻 4 号 p. 546-552

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抄録

下部消化管穿孔では腹腔内汚染により高度な炎症が惹起されるが,バリウムによる穿孔ではバリウムが有する催炎症作用も加わり,さらに強力な炎症が惹起される.治療としては外科的洗浄ドレナージが必須となり,開腹手術が選択されることが多い.近年では,腹腔鏡下手術の技術進歩とその適応についての慎重な検討の結果,下部消化管穿孔に対して腹腔鏡下手術が施行される機会が増加しており,バリウムによる下部消化管穿孔での施行報告も散見される.今回われわれはバリウムによる下部消化管穿孔に対し,患者の全身状態と審査腹腔鏡所見を十分に考慮し,腹腔鏡下手術を施行したものの,術後バリウム遺残をきたした1症例を経験した.バリウムという特殊な原因による下部消化管穿孔に対し腹腔鏡下手術を選択する場合,慎重な適応の検討に加え,併発症や合併症の予見とそれらに対する早期治療介入が良好な転帰を得るために必要と考えられた.文献的考察を含めて報告する.

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