2024 年 85 巻 4 号 p. 553-558
症例は78歳,男性.肝S2,S4を主座とする肝細胞癌に対して左肝切除術を施行した.術後,肝離断面のドレーンから胆汁様排液を認め,ドレーン造影で左尾状葉枝の離断型胆汁漏と診断した.さらに,胆汁漏に伴う炎症により肝前区域胆管起始部に狭窄が生じ,内視鏡的に胆管ステントを留置した.ドレーン交換による膿瘍腔の消失後,左尾状葉胆管枝への無水エタノール注入により胆汁漏は一旦改善したが,エタノール注入に起因した炎症性変化により左肝管断端が破綻し膿瘍腔と交通をきたした.そこで,まず膿瘍腔への経乳頭的アプローチを試みたが,困難であったため肝離断面のドレーンの瘻孔からガイドワイヤーを挿入し,左肝管断端から総胆管,十二指腸乳頭部へ誘導し,内視鏡で十二指腸内から把持するランデブー法により胆管ステントを留置した.難治性胆汁漏に対して術中に挿入したドレーンの瘻孔を利用したランデブー法により内瘻化が得られた1例であった.