日本臨床外科学会雑誌
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症例
術中回収式自己血輸血が有用であった横隔膜損傷による外傷性血胸の1例
飯田 大勝宮田 剛彰比嘉 花絵志田 晴彦
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2024 年 85 巻 5 号 p. 617-621

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抄録

症例:72歳の男性.転倒で右背部を打撲し,翌日に呼吸苦出現のため当院へ救急搬送された.搬入時,血圧低値で胸部CTでは右多発肋骨骨折と大量血胸を認め,緊急手術とした.胸腔鏡下で行い,第11肋骨骨折による横隔膜の貫通性裂創と活動性出血を認め,凝固止血,横隔膜縫縮,骨整復を施行した.総出血量は2,785mLで2,585mLを自己血回収装置で回収し,1,449mLを返血した.術後5日で退院となった.考察:術中回収式自己血輸血の利点には,異型輸血や輸血感染症の回避,緊急手術の際でも交差試験なしで迅速な輸血が可能であることが挙げられる.一方,外傷での使用は感染リスクが懸念されるが,本例は閉鎖性血胸であり感染リスクは低く,術中回収式自己血輸血の方針とした.結語:術中回収式自己血輸血が有用であった外傷性血胸の1例を経験した.

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