日本臨床外科学会雑誌
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症例
2個の異常裂孔がヘルニア門となっていた21歳小腸間膜裂孔ヘルニアの1例
小林 照忠佐藤 龍一郎金子 直征佐藤 純
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2024 年 85 巻 5 号 p. 627-630

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抄録

症例は21歳,女性.既往歴は特にないが,超低出生体重児であった.腹痛のため前医を受診し便秘と診断された.改善しないため当院へ紹介され,下腹部痛の他,意識障害も疑われた.CTで遠位小腸の造影不良域と近位小腸の拡張を認めた.絞扼性腸閉塞と術前診断し,緊急腹腔鏡下手術を開始した.絞扼された壊死腸管を認めて開腹移行したが,腸管の絡み方が複雑で絞扼解除は困難であった.遠位回腸の腸間膜内に2個の異常裂孔があり,これらをヘルニア門とする腸間膜裂孔ヘルニアと分かった.異常裂孔間の腸間膜を切離して絞扼を解除し,壊死腸管を切除した.小腸間膜裂孔ヘルニアはまれな疾患で,術前診断は困難であるが,発症初期には腹膜刺激症状を欠くことがあり,診断に際して念頭に置くべきと考える.また,腸間膜裂孔ヘルニアにおいては,本症例のように異常裂孔が2個の場合もあり,ヘルニア門以外の異常裂孔の存在の可能性を念頭に置くべきと考える.

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