2024 年 85 巻 5 号 p. 641-645
症例は65歳,女性.極低出生体重児で発達障害,子宮筋腫に対して開腹子宮全摘の既往あり.腟からの便排出を契機にS状結腸憩室腟瘻と診断.精査では悪性所見や複雑瘻孔形成は否定された.腹腔鏡下にS状結腸憩室を開放し,瘻孔を確認.S状結腸部分切除・腟瘻閉鎖を施行した.術後合併症発生はなく,現在まで症状再燃を認めていない.
結腸憩室瘻のうち腟瘻は子宮手術既往のある症例に限られる極めて稀な疾患で,腹腔鏡アプローチの適用可能性は明らかではない.今回,われわれは長期間の精神障害を有しperformance status(PS)不良なS状結腸憩室腟瘻に対し,腹腔鏡下手術を施行し良好な術後経過を得た1例を経験した.若干の文献的考察を加えて報告する.