2024 年 85 巻 6 号 p. 695-701
BRAF変異陽性進行再発大腸癌は極めて予後不良であり,これに対してcetuximab+encorafenib+binimetinib療法が2020年に新たに承認となった.当院における初期使用経験について検討を行った.患者数は7例(男性3例,女性4例),平均年齢は66歳であった.Grade3の有害事象を57.1%に認めた.全症例で最良治療効果はPR,増悪生存期間中央値は5.8カ月であった.治療効果,安全性ともに既存の報告に劣らない結果であり,副作用に注意しながら適切な減量を行うことで,70歳以上の高齢者にも投与可能なレジメンと考えられた.