日本臨床外科学会雑誌
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症例
十二指腸穿孔を契機に診断されたCrohn病の1例
羽根田 祥高橋 賢一小野 翼齋藤 匠佐藤 馨成島 陽一中山 文恵
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キーワード: Crohn病, 十二指腸穿孔, 手術
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2024 年 85 巻 6 号 p. 737-743

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抄録

症例は20歳,男性.心窩部痛のため当院に救急搬送され,同日に緊急手術を施行した.十二指腸球部前壁に穿孔が見られ,腹腔鏡下大網充填,ドレナージ術を施行した.H.pylori IgG検査は陰性であった.術後は発熱が続いたものの数日で改善し,第17病日に退院となった.退院後に発熱・腹痛・嘔吐が再度出現してきたことから,第30病日に再入院となった.精査したところ穿孔閉鎖部の瘻孔形成・十二指腸狭窄が認められ,結腸にも潰瘍瘢痕が認められたことから,Crohn病の診断となった.絶食・抗菌薬治療により瘻孔は改善したものの十二指腸狭窄の改善がないため,第106病日に胃空腸吻合術を施行した.その後は問題なく経過し,胃空腸吻合部の通過も良好で第136病日に退院となった.術後3年以上経過した現時点で再発はない.十二指腸穿孔を契機にCrohn病を診断された症例の報告はこれまでになく,極めてまれな症例であるため文献的検討を加えて報告する.

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