2024 年 85 巻 6 号 p. 744-748
Muco-submucosal elongated polyp(MSEP)は,正常粘膜と粘膜下層の浮腫状疎性結合組織からなる良性の細長い有茎性ポリープである.症例は89歳の女性,主訴は血便.造影CTで小腸の腸重積症が疑われ,手術目的に当科受診となった.腹部CTでは小腸に造影効果を有する腫瘤を伴ったtarget signを認め,小腸腸重積症と診断した.腹腔鏡下小腸部分切除術を施行した.切除標本の肉眼所見では60×25mmの有茎性腫瘤を認め,表面には一部びらんを伴っていたが粘膜面の不整は認められなかった.病理組織学的所見では腫瘤表面は正常の小腸粘膜で覆われ,粘膜下層は脂肪組織の増生と拡張した血管・リンパ管を伴う疎性結合織で占められており,小腸MSEPと診断した.MSEPは大腸での発生例が多いが,小腸MSEPの報告は少ない.腸重積の原因となる小腸腫瘍の鑑別疾患として念頭に入れる必要がある.