2024 年 85 巻 6 号 p. 749-754
症例は79歳,男性.2年前より弛緩性便秘症の診断で緩下剤を処方されていた.大腿骨頸部骨折による入院を契機に便秘の増悪と食思不振をきたした.CTで上行結腸からS状結腸までの著明な拡張を認めたが,下部消化管内視鏡検査では器質的狭窄はみられなかった.脱気処置を頻回に行ったが腹満の改善が乏しいため,当科を受診した.特発性巨大結腸症と診断し,大腸亜全摘と回腸人工肛門造設術を行い軽快退院した.病理組織学的検査では,拡張した結腸で腸管壁内神経節細胞数の低下および部分的な欠如を認めた.
特発性巨大結腸症は稀な疾患であり,治療方針に関して一定の見解が得られていない.特発性巨大結腸症に対し大腸亜全摘を行い良好な経過を得た1例を経験したので報告する.