2024 年 85 巻 6 号 p. 777-782
肺転移を契機に診断に至った直腸肛門部原発無色素性悪性黒色腫の1例を経験したので報告する.症例は53歳の女性で,健診の胸部X線異常で紹介された.単発の左肺上葉の結節に対して肺部分切除術を施行し,術後の病理組織診断で無色素性悪性黒色腫の診断となった.追加の下部消化管内視鏡検査の生検で直腸肛門部原発無色素性悪性黒色腫の診断となった.腹腔鏡下直腸切断術,両側側方リンパ節郭清(D3)を施行したが,術後25カ月目に死亡した.直腸肛門部原発無色素性悪性黒色腫は比較的稀であり,治療法は確立されていない.さらなる症例の集積と今後の治療法の確立が望まれる.