2024 年 85 巻 6 号 p. 783-788
症例は68歳,男性.近医で尿中アルブミン高値を指摘され当院を紹介受診した.腹部超音波検査で膵尾部に不整形な低エコー腫瘤を指摘された.腹部造影CT・腹部造影MRIを施行した結果,膵尾部に膵神経内分泌腫瘍を第一に疑い,膵癌や悪性リンパ腫と鑑別を要する30mm大の腫瘍を認めた.遠隔転移はなく,当科へ紹介され,開腹膵体尾部切除術を施行した.病理組織学的にはfollicular pancreatitisと診断された.Follicular pancreatitisは,2012年にZenらにより報告されたリンパ濾胞の過形成と線維化からなる結節性腫瘤を呈する非常に稀な疾患であり,悪性腫瘍との鑑別が困難である.術前に悪性腫瘍が否定できれば手術を回避できるが,希少疾患のため特徴は明らかとなっておらず,症例の蓄積が望まれるため報告する.