2024 年 85 巻 7 号 p. 855-859
症例は56歳,女性.53歳時に検診異常を指摘され当院を受診した.左乳癌の診断で左乳房全切除術とセンチネルリンパ節生検を施行した.病理学的組織診断は,浸潤性乳管癌,pT1a(2×1mm)N0M0,pStage IA,ER(60%),PgR(70%),HER2(2+),Ki67(40%)と診断され,術後タモキシフェンを施行した.
術後2年5カ月目に呼吸苦が出現し,多発骨転移・多発肺転移を認めた.胸骨生検を施行し,乳癌の転移と診断され,ER(0%),PgR(0%),HER2(2+)(FISH陰性),Ki67(30%)とERの陰転化を認めた.
1カ月の経過で呼吸苦の増悪と腫瘍マーカーの著明な上昇,転移巣の急速な増悪を認めた.パクリタキセルとベバシズマブを開始し,腫瘍マーカーの低下と転移巣の縮小を得られた.化学療法開始8カ月現在も,PRを維持している.
pT1a乳癌は再発をきたすこともあることを念頭に,術後のフォローアップを行っていくべきである.