2024 年 85 巻 7 号 p. 850-854
乳腺顆粒細胞腫の1例を経験したので報告する.症例は64歳,女性.甲状腺癌の術前CTにおいて右乳房A領域に腫瘤を認め,当科を紹介受診となった.マンモグラフィで右乳房X/I領域にスピキュラを伴う腫瘤性病変を認め,カテゴリー5と診断した.超音波検査では,右乳房A領域に19mm大の辺縁不整で境界不明瞭な低エコー腫瘤を認めた.CTでは右乳房A領域に20mm大の造影効果を呈する結節を認めたが,転移は認めなかった.MRIでは内部が不均一に造影される辺縁不整な不整形腫瘤を認めた.針生検にて乳腺顆粒細胞腫と診断した.しかし,画像上は悪性を否定できず,診断的治療目的に右乳房部分切除術を施行した.病理組織学的検査にて乳腺顆粒細胞腫と診断した.本疾患は基本的に良性とされているが,画像所見は乳癌に類似し,鑑別に困難を有する.悪性を否定できない場合には診断的治療目的の手術も許容されると考える.