2024 年 85 巻 7 号 p. 887-891
腹腔動脈の分岐様式を分類したAdachi分類に該当しない,まれな血管走向破格を有する早期胃癌症例に対して腹腔鏡手術を行った1例を経験したので報告する.症例は63歳,男性.検診の上部消化管内視鏡検査で胃角部小弯に0-IIc病変を認め,生検で胃癌の診断となった.術前の造影CTおよび3D-CT angiographyで脾動脈と胃十二指腸動脈が上腸間膜動脈から分岐する血管走向破格を認めた.手術は腹腔鏡下幽門側胃切除術,D1+郭清を施行し,術中も造影CTと同様の血管走向を確認した.術前に十分な画像評価を行うことで,まれな血管走向破格を伴う症例でも安全に腹腔鏡手術が可能であった.