2024 年 85 巻 7 号 p. 881-886
症例1:75歳,女性.腹部超音波検査で胃腫瘍を指摘され紹介となる.上部消化管内視鏡検査では腫瘍を指摘できず,CT・超音波内視鏡検査で胃体中部小彎側後壁に30mm大の壁外発育型の腫瘍を認めた.超音波内視鏡下穿刺吸引法(endoscopic ultrasound-guided fine needle aspiration:EUS-FNA)を施行し,gastrointestinal stromal tumor(GIST)の疑いで腹腔鏡下摘出術を行う方針となった.術中所見では胃壁との連続性はなく,損傷なく摘出でき術後病理検査により,小網原発のGISTと診断した.症例2:73歳,男性.S状結腸癌術前精査のCTで偶発的に胃穹隆部後壁に壁外発育型の腫瘍を認めた.EUS-FNAを施行しGISTの診断となり,S状結腸癌と併せて一期的に切除の方針とした.症例1と同様に胃との連続性は認めず損傷なく完全摘出可能であった.腹腔鏡の拡大視効果による腫瘍の詳細な観察は,不必要な臓器切除を回避できる点で有用である.