日本臨床外科学会雑誌
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症例
下行結腸穿通を契機に発見されたCrohn病関連大腸癌の1例
内藤 信裕福岡 達成北山 紀州笠島 裕明渋谷 雅常前田 清
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2024 年 85 巻 7 号 p. 940-944

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抄録

Crohn病の消化管穿孔の頻度は約1.3%~4.0%と低く,消化管穿孔を契機にCrohn病関連大腸癌と診断された症例は極めて稀である.今回われわれは,Crohn病の消化管穿通を契機に発見されたCrohn病関連大腸癌の1例を経験したため報告する.症例は38歳,男性.12歳時に小腸大腸型Crohn病と診断され,以後免疫調整薬・抗TNFα抗体製剤投与で病状は安定していた.2022年,発熱および左側腹部痛を主訴に当院救急外来を受診した.血液検査で炎症反応の上昇を認め,腹部単純CTで下行結腸背側に軟部影および脂肪織濃度の上昇を認め,Crohn病増悪に伴う下行結腸穿通および膿瘍形成と診断した.保存的治療に改善後,腹腔鏡下下行結腸切除術を施行した.病理組織検査で粘液癌(pT3,Nx,H0,P0,M0)と診断し,下行結腸穿通の原因はCrohn病関連大腸癌によるものと考えられた.術後は補助化学療法を施行後13カ月経過した現在,再発を認めていない.

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