2024 年 85 巻 8 号 p. 1023-1027
症例は44歳の男性で,人間ドックの胸部CTで前縦隔腫瘍を指摘され,FDG-PETで同部位の集積(SUVmax 3.2)を認めたため,当院に紹介となった.胸部造影CTでは前縦隔に1.1×0.8×1.3cmの境界明瞭な結節を認め,造影増強を伴った.胸腺腫を第一に疑い,悪性リンパ腫や胚細胞性腫瘍を鑑別に挙げた.胸腔鏡下に胸腺部分切除を行い,病理検索でコレステリン裂隙,異物巨細胞,組織球浸潤を認め,コレステリン肉芽腫と診断された.コレステリン肉芽腫は,コレステリン結晶が組織に沈着して形成される肉芽腫である.副鼻腔や中耳に発生することが多く,胸腺内に発生することは稀である.縦隔コレステリン肉芽腫の画像診断は困難であり,診断には外科的切除および病理診断を要する.