日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡下胃全摘7年で発症し腹腔鏡下に整復した食道裂孔部ヘルニア嵌頓の1例
石川 佳奈本間 周作鈴木 貴久姜 貴嗣原田 武尚
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2024 年 85 巻 8 号 p. 1028-1033

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抄録

症例は7年前に胃癌で腹腔鏡下胃全摘術の既往がある,69歳の男性.胃癌は再発なく5年で経過観察終了となっていた.受診前日から心窩部痛が出現し徐々に増悪するため,当院を受診した.胸腹部CTにて縦隔内に腸管の脱出を認め,食道裂孔ヘルニア嵌頓と診断した.明らかな腸管穿孔や拡張の所見を認めず,腹腔鏡下に整復可能と判断して緊急腹腔鏡下手術を行った.食道裂孔の開大とY脚吻合部を含む小腸の縦隔内嵌入を認めた.腹腔鏡下に嵌頓を整復し,食道裂孔腹側の縫縮および挙上空腸と横隔膜との縫合固定を行った.経過良好で術後9日目に退院し,術後2年が経過して胃癌および食道裂孔ヘルニアの再発は認めていない.腹腔鏡下胃全摘術後の食道裂孔ヘルニア嵌頓は比較的稀な合併症であり,長期経過後でも発症する可能性がある.術中に予防策を講じた上で,経過観察中に食道裂孔ヘルニアを認めた際には,修復術を念頭に置いた慎重な経過観察が必要と思われる.

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