日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
中心静脈狭窄への血管内治療における右室内ステント遊走の1例
藤﨑 正之
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 85 巻 9 号 p. 1195-1200

詳細
抄録

現在,慢性腎不全・血液透析患者において中心静脈(鎖骨下静脈・腕頭静脈・上下大静脈)の狭窄はしばしば生じる合併症である.現在,透析患者の長期化・高齢化と血管内治療の導入・進展により治療となる症例は多い.合併症として血管内治療で使用したカテーテル・デバイスが破損・脱落により血管内を遊走(以下,migration)が生じ,問題となることが稀にある.今回,慢性腎不全・血液透析導入患者における鎖骨下静脈狭窄に対し血管内治療を施行した際に,ステントが心臓内にmigrationし,開心術にて摘出した症例を経験した.心臓内の特に右室や肺動脈へのmigrationはステントstrutの影響により血管内治療での回収は困難で,心筋・肺動脈の損傷や三尖弁機能不全のリスクが高く,時に致死的なリスクを招くことがあり,開心術の選択を躊躇すべきではない.

著者関連情報
© 2024 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top