2024 年 85 巻 9 号 p. 1205-1209
症例は統合失調症の既往のある30歳,男性.4年前に自傷目的で胸部に刺した縫い針の摘出手術目的で,当科に紹介された.胸部CTで左肺舌区内に針を認めた.針は長年の体内残留により錆びて脆弱化している可能性が高いと推測し,手術中の針の破損を避ける目的で,単純摘出ではなく舌区域切除を施行した.針は錆びて肺実質に強固に癒着し,肺から単純に引き抜くのは困難であったことが切除標本より判明した.術中のX線透視は切除線の決定に加え,針の遺残の有無の確認に有用であった.