2024 年 85 巻 9 号 p. 1271-1279
選択的カテーテル挿入が困難な肝切除後の離断型胆汁漏に対しmulti-hole double-balloon catheterを用いたethanol ablationが有用であった症例を経験した.症例は58歳,男性.肝細胞癌の診断で肝左葉切除を施行.術後胆汁漏を認め,瘻孔造影でB5c胆管枝が描出され,離断型胆汁漏と判断した.内視鏡的胆道ドレナージを併施したが改善なく,ethanol ablationを選択した.責任胆管は細く,離断された胆管の開口部がドレナージルートの側面に位置し,single-balloon catheterでの治療は困難であったが,multi-hole double-balloon catheterを用いて離断胆管開口部を2つのバルーンで挟むことで選択的に安全なethanol注入が可能となった.翌日にはドレーン排液が減少し,ablation 7日後にドレーン抜去となった.Multi-hole double-balloon catheterは,選択的カテーテル挿入が困難な離断型胆汁漏に対するethanol ablationにおいて有用なツールになり得ると思われた.