2021 年 82 巻 1 号 p. 174-179
症例は49歳の男性.尿管結石発作で他院にて施行した腹部CTで,偶発的に膵腫瘍を指摘された.精査の結果,傍大動脈リンパ節転移を伴う膵神経内分泌腫瘍の診断となり,膵頭十二指腸切除,傍大動脈リンパ節郭清を施行した.術後7年経過した現在も無再発生存中である.膵・消化管神経内分泌腫瘍診療ガイドラインでは切除可能な遠隔転移を有する膵神経内分泌腫瘍は原発巣ならびに転移巣の切除適応があり,生命予後の延長が期待できるとされ,手術を中心とした集学的治療を推奨している.しかし,傍大動脈リンパ節転移を伴う膵神経内分泌腫瘍に対する切除報告は稀であり,その長期予後は明らかではない.膵神経内分泌腫瘍は傍大動脈リンパ節転移を有する場合でも,切除により長期予後が得られる可能性があることを示唆する症例であり,文献的考察を加え報告する.