日本臨床外科学会雑誌
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症例
剣状突起下から縦隔鏡下に遺残膿瘍の排膿を行った降下性壊死性縦隔炎の1例
濱中 薫由樹本間 直健津坂 翔一小丹枝 裕二三野 和宏川村 秀樹
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2025 年 86 巻 1 号 p. 30-37

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抄録

72歳,女性.特に既往歴や併存症なし.化膿性咽頭炎の治療経過中に急性腎障害と酸素化不良を呈したため,当院に転院搬送された.敗血症性ショックと両側膿胸を合併した降下性壊死性縦隔炎(descending necrotizing mediastinitis:DNM)と診断し,頸部切開・ドレナージおよび両側胸腔鏡下ドレナージを施行した.術後14日目の胸部CT所見で前縦隔に遺残膿瘍を認めた.胸腔内癒着が予想されたため経胸的アプローチを避け,剣状突起下に手術を行った.内視鏡用超音波深触子を用いて膿瘍を同定し,膿瘍ドレナージを施行した.再手術後は再燃なく入院64日目に自宅退院した.DNMは,初回術後に発生した遺残膿瘍によって再度ドレナージを要する症例も少なくない.再手術時の患者の体力や胸腔内癒着の影響を考慮して,低侵襲で適切なアプローチを選択することが重要である.また,内視鏡用超音波深触子は膿瘍を同定するために有用であった.

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