日本臨床外科学会雑誌
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症例
異なるKIT遺伝子変異を認めた胃と空腸の散在性重複GISTの1例
野田 裕俊末岡 智村井 俊文阪井 満
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キーワード: 散在性, 重複, GIST
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2025 年 86 巻 1 号 p. 44-51

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抄録

散在性多発重複gastrointestinal stromal tumor(以下,GISTと略記)は極めて稀で,その原因や発生機序については不明な点が多い.今回われわれは,胃と空腸の散在性重複GISTを経験した.症例は75歳の男性.造影CTにて偶発的に胃体部にφ4cmの腫瘤,空腸にφ2cmの腫瘤を認め,異なる造影効果を示した.GISTや他の粘膜下腫瘍の重複または転移性GISTを鑑別に手術を施行した.病理組織学的検査では両腫瘍ともCD117・CD34がいずれも陽性であり,GISTと診断した.重複GISTの原因となる家族歴・既往歴を認めず,CD34の染色性が両腫瘍で明らかに異なったため,遺伝子検査を施行したところ,異なるKIT遺伝子変異を認め,胃と空腸の散在性重複GISTと診断した.多発重複GISTの予後や治療方針についての一定の見解はなく,遺伝子解析が重要な役割を果たす可能性がある.今後の症例の蓄積と検討が必要である.

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