日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡下十二指腸空腸吻合を行った小腸GISTの1例
前田 夏奈子香月 優亮鈴木 結海人森本 洋輔西山 亮江川 智久
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2025 年 86 巻 1 号 p. 57-63

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抄録

症例は69歳の女性.健診の腹部超音波検査にて上腹部腫瘤を指摘され,当科を受診した.腹部造影CTでは,Treitz靱帯近傍の小腸に壁外突出型の早期濃染を呈する約2cm大の腫瘤性病変を認め,上部空腸の間質系腫瘍を疑った.診断,治療目的に鏡視下手術を行った.Treitz靱帯を一部切離し,小腸部分切除を行い,結腸後経路で十二指腸空腸吻合し再建した.術後8日目に軽快退院となった.病理組織学的所見から超低リスクGISTの診断に至り,術後無再発で外来経過観察中である.切除可能な小腸GISTに対する低侵襲手術は,近年多数報告されている.しかし,本症例のようにTreitz靱帯近傍の小腸腫瘍に対し腹腔鏡下十二指腸空腸吻合を行った報告は少ない.また,本術式を行ったTreitz靱帯近傍の小腸腫瘍,十二指腸GISTは予後良好な報告が多く,低侵襲な本術式は有用であると考えられたため,文献的考察を含めて報告する.

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