日本臨床外科学会雑誌
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症例
術後化学療法後に治療関連骨髄腫瘍を発症したBRCA遺伝子変異陽性乳癌の1例
長野 菜月雨宮 剛太田 尚正川田 和哉新井 利幸
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2025 年 86 巻 12 号 p. 1573-1577

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抄録

症例は40歳,女性.右乳癌cT2N0M0に対し乳房全切除+腋窩リンパ節郭清を行った.病理組織学的検査では浸潤性乳管癌 pT1cN1M0,triple negative (TN) typeと診断された.術後療法としてFEC100療法(fluolouracil,epirubicin,cyclophosphamide)とdocetaxelをそれぞれ4サイクル投与した.

術後7年目の定期検査で白血球1,600/μL,好中球250/μLと著明な減少があり,治療関連急性骨髄性白血病と診断された.また,左乳腺に腫瘤を認め浸潤性乳管癌,TNと診断された.BRCA遺伝子検査ではBRCA1に変異を認めた.2022年12月より寛解導入療法と臍帯血移植を行い寛解した.

治療関連骨髄腫瘍は抗癌剤や放射線治療後にしばしば起こりうる晩期合併症であり,近年,遺伝性素因も発症リスクであると考えられている.初期治療に抗癌剤を投与された患者やBRCA遺伝子変異を有する患者は,治療関連骨髄腫瘍を発症する可能性があることを念頭に置き注意深く観察する必要があると思われた.

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