2025 年 86 巻 12 号 p. 1578-1584
Morgagni-Larrey孔ヘルニアは胸肋三角部に発生するヘルニアで,稀な疾患である.症例1は71歳,女性.検診で胸部異常陰影を指摘され,CTで横行結腸が右胸腔へ脱出していた.症例2は82歳,女性.胸部打撲後に食後の嘔吐が出現し,CTで横行結腸と胃幽門部が右胸腔へ脱出していた.いずれの症例も肝鎌状間膜左側から脱出しており,Larrey孔ヘルニアと診断し手術を施行した.腹腔鏡下にヘルニア門を縫縮後,ENDO UNIVERSALTM65° Hernia StaplerとSymbotexTM composite meshを用いて修復し,ヘルニア囊は切除せず温存した.術後合併症,再発は認めなかった.本術式は簡便であり低侵襲に行えることから有用であると考えられた.これまでの報告を踏まえて,その妥当性について検討を行った.