日本臨床外科学会雑誌
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症例
副甲状腺癌の1例
吉本 皓一大石 一行澁谷 祐一
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2025 年 86 巻 2 号 p. 227-233

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抄録

症例は84歳,女性.倦怠感を自覚し,前医で高Ca血症,intact-PTH高値を指摘され,精査加療目的に当院に紹介となった.頸部超音波エコーで甲状腺右葉下極背側に1.4×1.4×1.9cm大で形状不整,境界明瞭,内部エコーは低~等で不均質な腫瘤を認め,D/W比が1.03であり,右下副甲状腺癌の可能性を考えた.術中所見で,腫瘤が硬く甲状腺との境界が不明瞭で剥離に難渋したため副甲状腺癌を強く疑い,甲状腺右葉部分切除を伴う右下副甲状腺切除術,II・右IIIリンパ節郭清を施行した.最終病理組織診断では副甲状腺癌(pT1N0M0)と診断された.現在術後4カ月であるが,再発は認めていない.副甲状腺癌は原発性副甲状腺機能亢進症のうち5%以下とされており,比較的稀な疾患である.稀少さゆえに,病期分類について国際的に標準化が進められている段階である.今回,術前および術中に副甲状腺癌を疑って治療を行い,最終的に副甲状腺癌と診断された症例を経験したので報告する.

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