日本臨床外科学会雑誌
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症例
転移巣による十二指腸狭窄に対しステント留置をした乳腺浸潤性小葉癌の1例
渕上 ひろみ竹田 奈保子山本 龍一佐藤 一彦
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2025 年 86 巻 2 号 p. 240-245

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抄録

症例は81歳,女性.主訴は嘔吐.右乳癌で67歳時に右胸筋温存乳房切除とセンチネルリンパ節生検を施行された.術後エキセメスタンを5年間内服した.80歳時に人間ドックにて施行された超音波検査にて右腋窩リンパ節腫脹を指摘された.細胞診はclass IVであった.乳癌の再発が疑われ,PET/CTを施行した.乳癌の多発リンパ節および多発骨転移の診断となった.レトロゾールとパルボシクリブによる治療を開始したが,約7カ月後に嘔吐で救急外来を受診した.後腹膜転移による十二指腸狭窄と診断された.絶食・胃管を挿入の後,十二指腸ステントを留置され,経口摂取可能な状態で退院となった.ステント留置から約2週間後に再閉塞による嘔吐で再入院となった.Covered stent追加留置により狭窄部位は解除された.十二指腸閉塞の治療法としては胃空腸バイパス術とステント(covered typeとuncovered typeがある)留置があるが,十二指腸閉塞はpreterminalな状態でもあり,治療法を選択する際には十分な検討が必要である.

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