2025 年 86 巻 3 号 p. 423-429
直腸gastrointestinal stromal tumor(GIST)は稀な疾患で,消化管全体のGISTのうち5%とされている.切除可能な限局性GISTに対する治療の第一選択は消化管の局所切除であるが,直腸GISTで課題となるのが肛門機能の温存である.直腸GISTの術式は開腹または腹腔鏡下の拡大手術や直視下経肛門的切除が主流であった.しかし,前者は肛門機能障害や排尿障害の合併症が多く,後者は視野確保が難しく肛門縁から近い病変以外に適応できないという欠点があった.2010年にAtallahらにより単孔式腹腔鏡手術を応用した多施設で導入可能なtransanal minimally invasive surgery(TAMIS)が報告され,局所切除の適応が拡大した.
下部直腸GISTの2例に対してTAMISが根治性と臓器機能温存に優れた術式であったため報告する.